International Doctors (IDs)

日本は世界で戦える

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Dis.1 4つの重要ポイント

ブログオーナーの雑草外科医です!

昨年から北米でResearch fellowをしている外科医 兼 博士課程大学院生です。

海外で書く論文で日本の大学の学位を取得するという奇怪なキャリアを歩んでいます。

大型動物の移植手術を生業としていて、臨床研究で人オペ室にも出入りする生活です。

 

今回のテーマである海外勤務のメリットですが、私の今おかれた環境(主に研究生活)では4つあると思います!

 

1.物事を多面的に考えることができる

海外を経験したDrは物事を多軸(正確には日本軸と海外軸)で考えることができるようになります。

残念ながら研究について日本と海外の違いが分かるほど知識はないので、臨床寄りの話になりますが、手術やカンファレンスを見ていて、日本とは治療法方針や手術手技もかなり異なります(どちらにも善し悪しあり)。日本だったら絶対こうするという場面も、思わぬ方法で切り抜けたりします。また最新の医療機器もまず北米から使用するのだと知りました。

医師として考え方の手札の数が多いことは重要と思いますので、自分の新たな常識を作る意味で海外勤務は有意義です。

 

2.潤沢な研究資金

時代の流れに乗っている海外ラボは、個人献金(日本では考えられませんが、病院1つ作れるくらい寄付くれます!)と大型グラントを多々持っているケースがあります。

あまり額を言うといやらしいのですが、こちらでの私の年収(もちろん最低賃金より上)の半分くらいを消費する実験を湯水のごとくさせてくれます。

 

研究を支えるのは資金です。どんなにアイデアや工夫があっても研究資金なしには実験できません。もちろん海外のすべての研究室がこのような状態ではありませんが、Activityの高い海外施設の大きなメリットの一つと思います。

 

3.整った施設環境

2とも関連しますが、海外の研究施設は規模が違います。何百という研究室が集まり、他の研究室とCollaborateすることに非常に積極的です。NatureやScienseの著者が、何気なく普通に廊下を歩いているので、呼び止めて相談する人も多々います(そのため廊下には多々ソファーがあります)。

この前論文で見た新しい薬を使ってみたい or 新しい測定機器を使いたいがラボにない or 評価方法がよく分からないから専門家に相談したい際には、まず研究ネットワーク内でググれと同僚に教わりました。あとはマネージャーがアポを取ってくれてテクニシャンと一緒に行って会議して商談(?)成立です!こちらの研究者、テクニシャンは業績upのために非常に熱心なので、相談するとまるまる測定や解析をやってくれることもままあります。

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私の場合は大動物(ブタ)の移植設備が整っているというのが最も大切でした。移植自体は手術も大変ですが、術前、術後と管理も大変です。日本で大型動物の肝移植ができる施設は数施設ありますが、先の資金力と設備の両方を兼ね備えた施設はおそらくないです。あったとしてもそんな重要なprojectをいちPhD candidateにさせないでしょう。うちは肝移植だけで計400例以上の移植をしていて、プロトコルも洗練されています。かつ研究所の1フロアすべて移植外科なので、心臓や肺、腎臓のチームのノウハウも盗めます(人聞き悪い)。外科医にとって基礎研究はin vitroかin vivo (小動物)が多く、腕は確実に訛りますので、大型動物の移植執刀と臨床病棟を行き来できる今のpositionは最高と思っています。

 

4.Clinical fellowへのランクアップ

実は私がResearch fellowになったきっかけは、手術見学で現在のボスに知り合った際、北米で外科医をしたいなら俺の下でResearch fellowとして実績を残さないかと言われたことです。日本及びアジアでは臨床応用されていない技術を“本場で”基礎から学べ、臨床までも学ぶことができる可能性があるというのはこの施設を選んだ最大の理由かもしれません。

推薦状が最重要な北米で、名もなきアジア小国の若手医師がトップ施設のClinical fellowshipの選考で対等に勝負することはかなり難しいです。でもResearch fellowで勤務実績を作れば推薦状含めてかなり有利に戦えると思います。

挑んだ結果は...今年中にお伝えできればと思います!

 

ちなみに他の副次項目としては、

・英語がうまくなる...というよりは話さなくてはいけないので、度胸がつきます

・世界各国の友達ができる...ランチタイムの匂いはカオスです

・海外文化に触れる...というよりは生活しなくてはなりません!

・多国籍に慣れる...実力さえあればどの国出身かは関係ないのですね

・子供の英語教育(特に発音)

・帰国した場合に子供を帰国子女枠に入れられる(うちの子はまだ意味ないけど)

でしょうか。

 

日本で守るべきものもあると思いますが、まず飛び込んでみるのも楽しいですよ!

虎穴に入らずんば虎子を得ず!