International Doctors (IDs)

日本は世界で戦える

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Dis 1. 海外に出るメリットは? 残念系失敗系の場合

こんにちは、ドロッポ医界の女王様、カステラです。

 

カナダに移民して20年、医者やめて11年になりました。以下、雑歴。
(注:時系列的なフェイクを入れてあります、また、私が誰かわかってもそっとしておいてください)

 

日本で研修2年後すぐ産業医(工場勤務、かなりがっつり)
→結婚(カナダ人夫が国に帰ってしまったので遠距離結婚)
→日本で産業医しつつ渡加準備、USMLE Step1&2合格
→産業医のメンタルヘルス要素が多くなりやる気消失(中毒予防とかの方が好き)
→円満に職を辞しw、カナダに移民(夫とラブラブ)
→カナダはMCCEEとMCCQEってことに気づく(自分の情弱ぶりにがっくり)
→一旦日本に戻り、医科大学付属の研究所で助教(留学資金調達)
→MCCEE、MCCQE Part1合格
→カナダに留学(産業衛生修士過程)
→カナダの産業医は昔ながらの産業医であることに気づき、やる気が戻る
→MCCQE Part2 不合格のままMatching で職業病科に挑戦(箸にも棒にもかからず不合格、北極圏の家庭医のみマッチ)
→あら、妊娠(とりあえず産休育休)
→あら、子育て思ってたより向いてた&楽しすぎ
→カナダの大学院卒業
→職業病科は、結局、最後までマッチされず
→カナダで産業医になれないんだったら、医者やめちゃえ(どうしても臨床向けでないので、家庭医とか絶対無理、北極圏寒いしw)
→今に至る

 

なんという美しいドロッポ経歴!

しかしながら、ドロッポ「医」成分も日に日に薄れ、近々、普通の女の子ドロッポになる予定です。

今のところ「医」成分の残量は10%程度。隠居系元医師の人生逃げ切りブログという、とっても胡散臭いブログを書いてます。

 

この胡散臭いブログで言いたいことはただ1つ。

  • 医者は良い仕事の一つけど、(私には)命削ってする程のものでもない。
  • 医者やらなくてもフツーに食べていける。
  • 人生辞めるくらいなら、医者やめよう。ドロッポ医のパイオニアとして道は作っておくね。

です。あれ? 3つだね? ま、いいか。←

さて、今回のテーマ、「海外に出るメリット」について、ゆるく語ります。せっかくなので、デメリットについても語る。

 

海外に出るメリット

メリット1.正義はたくさんあることが分かる(多様性の受容)

多くの方が何となくご存知のように、大抵の場合、ケンカや戦争は正義と正義のぶつかりあい。

そのことを実感できるようになります。そして、どっちもある局面では正しいからこそややこしいことも。正しいことは多軸で存在しており、完全にズレているわけではなくて、重なり合う部分もあることも。 わかる、気が、する。

 例えば、私が大学院にいた頃、カナダ国内おいて、アスベストは「ちゃんと管理して使う」が正義。一方、フィンランドでは「アスベスト、ダメ、絶対」。中国では「こんなに安くて使い勝手のいい物質を、今になって制限するなんて、先進国ずるい!」。産業現場においてですら国によって正義が違うわけですよ。そして、皆んな真剣。

 

ま、結局、何かするときは、自分が良いと思うことをするしかないし、自分の正義と相反する正義を信じる他人からの火の粉は払いのけなきゃなんだけどね。

 

自分の正しさが本当に正しいとは限らない、正義の定義は明日は違うかもしれない、正義を語る人は胡散臭いってことを常に頭においておきたい、そんな人に私はなりたいw 

 

メリット2.相手もOK、自分はもっとOKのゆるさが身に付く(許容範囲拡大)

これですよ、これ。

ワタクシ、もともと、他者肯定感はやや高め、自己肯定感はめっちゃ高めです。でも、カナダで、この傾向が強化された感があります。

そうじゃないとやっていけないですしおすし。

 

とにかく、そこにいる両者共に、何の落ち度がなくても、物事が上手く行かないことはあるものだ。と思える、ことが多くなります(そうでない時も、もちろんある)。

 

何がいいって、相手もOK、自分はもっとOKなので、何かを誰かのせいにしなくなるからストレスが減ります。他人に期待しないので、思わぬ親切を受けたりするとものすごくハッピー。

たぶん、私、カナダ移民前より長生きしそうです(たとえ、日本に戻っても)。

 

例えば、私ではなくて、北米在住のEmily Sweet さんの事例ですが、ホットドッグ頼んだら、コレ出てきたらしい。ココまで雑なのは私の経験にはないけど、近いのはあるw

 

パンがないのはウエイターの責任じゃないと割り切れば、ネタとして楽しめる(でも、たぶん、私は文句言うw)。さくっと、こういう写真撮っちゃう余裕が素敵w

逆に言えば、自分も似たような失敗をやらかしても、胃に穴が空くほど心配しなくてよいってことです。これ、楽ですよ。

 

他にも、2時間に1本しかないローカルな市バスが、運転手さんが風邪引いて休んだりすると、何の連絡もなく丸々1本運休になったりするけど、それをきっかけに同じバス停のカナダ人と仲良くなって、愚痴いいながら一緒にドーナツ食べたりっていうのは、割と楽しかったりします。個人的に、楽しいことは多い方がいいもの。

 

メリット3.あんまり意識高くなくても色々比較できちゃう

意識高く過ごさなくても、生活の中で色々と国際比較できてしまうのは面白いです。

例えば、以下の表のことくらいなら、医療従事者でなくてもカナダに住んでるだけで「知ってる」状態にはなります。

f:id:a-rainha-de-castella:20190107043550p:plain

医療制度についての雑な日加比較(by カステラ)


その他のメリット

・色々な種類の英語がわかる:中国やメキシコ、フランス出身者の英語が分かるようになります。自分の訛りも、ま、いいか〜程度には思える。

・〇〇人は〜って思わなくなる:なんだ、どこの国にもいろんな人いるなぁ的な。

・でも、〇〇人は〜って思うこともある:傾向はあるよね、個人差の方が大きいけどね的な。

・英語/仏語/日本語環境:ウチの娘だけでなく他所のお子さんも10歳くらいで「英語⇆仏語の完全な翻訳は無理」と気づき、「使う言語によって自分自身のキャラすらも変容する」ことに気づくようです。また、1つの事象を無意識に多角的に見ることができるようになります。だって、言葉は思考をつくるから(なお、私はこれに気づくのに20年くらいかかったw)。

・日本の学校に一度も通っていない場合は、日本の大学で、帰国子女枠ではなく、「留学枠」が使えてしまう。

 

海外に出るデメリット

デメリット1.正義はたくさんあることが分かる(多様性に混乱)

自分が正しいと思ってたことが、他軸ではそうでないことを痛感するので、自虐的になったり他罰的になったりしがちです。こじらせると、「日本は全部ダメ教徒」になったり、「日本は何でもスバラスィ教徒」になったりします。

 

デメリット2.自分はダメだが、相手はもっとダメの誰も幸せにならない思考に陥ることがある(いつも怒ってる人か、いつも悲しんでる人になる時がある)

海外(=完全アウェイ)で、死なない程度にやっていけるっていうのは、実はめっちゃすごいことだし、それができている時点でめっちゃ有能です。

ところが、海外で留学したり仕事したりできちゃう層は、日本国内でもそれなりに有能なことが多いので(私は違うYO!)、海外で「死なない程度にやってる」程度だと、自己評価が下がっちゃう…ように思います。

 

謙虚であることは大切ですが、自己評価は下げちゃダメ(下げようとして下げてるわけではないのも理解してますYO、でも敢えて言う)。

 

なぜなら、自己評価が下がると「自分ごときができること」は「誰でもできること」と思ってしまいがちだし、「誰でもできること」ができない人は低脳な上に人並みの努力もできないバカだと思ってしまいがちだからです。

これね、素で謙虚な人が陥ると、「低脳な上に人並みの努力もできないバカ評価」の矛先が自分に向いちゃうからね、更に注意ね。

 

これをこじらせると、何にでも腹が立つ粗探し名人 and/or 自分の粗探し名人になってしまいます。

怒りん坊の粗探し名人は、自分では被害者のつもりでいることも多いのだけど、側からは「怒るための材料」を探している怒りっぱなしの人に映るので、孤立します。

自分の粗探し名人は、自分は無価値と思い、とっても悲しい気持ちになってしまいます。

なお、上2つは根拠なしエビデンスなしテキトーに雰囲気だけで記載してます、医師にあるまじき行為です、ごめん。

 

でもね、すごく書きたいから書くけど、周りの人は、離れれば被害をうけずに済みますが、自分は自分であることからは離れられません。お願いなので「完全アウェイ」で生きてるだけでスバラスィ自分をもうちょっと自画自賛しましょう。

 

っていうか、そうでないと、何も成し遂げずに毎日ウェイウェイやってる私がバカみたいだし、相対的に私のバカ度が 上がってしまうので、迷惑なのですっ! 

さあ! 皆さんもご一緒に自画自賛!

 

デメリット3.比べるつもりがなくても色々比べてしまう

ま、しょうがないけどね。カナダに20年以上いるのに、気づけば、カナダでは「日本では日本では」言ってるし、日本では「カナダではカナダでは」言ってる。

ふと我に返って、恥ずかしいなぁと思ってやめても、翌日には同じことやってます。

 

その他のデメリット

・英語や仏語が日本語力を超えることはないし、英語で考えると知能が半分くらいになる:それなりに頑張った時期もあるんですけどね、もう諦めましたw

・〇〇人は〜って思わなくなる:国の文化じゃなくて、コイツがこうなんだな!的な。

・でも、〇〇人は〜って思うこともある:この国の出身者はいっつもそう!的な。

・英語/仏語/日本語環境:油断すると、どれもLimited になっちゃう。言語は思考を左右するので、恐ろしいです。英語だと知能半分になる私ですが、日本語も痩せてきてる。

・帰国子女枠受験枠は、設問の難易度は高くないように見えるけど、実はハイスペック子女との競い合いなので、合格するのは意外に難しい…のに、簡単に入学できると誤解されがち。

 

まとめ

カナダの大学院で勉強したことを、全く役立ててない残念系失敗系留学ですが、カナダの大学院に行ったこと自体は、自分の中では「人生の中で最も幸福だったことの1つ」です。

カナダの大学院には、ナイジェリアやガーナ、メキシコ、中国、カナダの各州からの医師や衛生工学士、産業保健師が勉強に来ており、各国の産業衛生の現状について情報交換できたし、カナダの大学院にいる間に、カナダ国内の多くの工場やアスベストの露天掘り現場などを訪れる機会もありました(中国の鐵工所や自動車工場にも、自費で行っちゃった)。

また、大学院で学んだことや、各国の産業衛生に携わる人たちとの情報交換によって、日本の産業衛生がガラパゴス化していること、日本の働き方はかなり特殊であること、それからそれぞれの国の事情(例えば、アスベストを輸出する国、輸入して使う国、アスベストの含まれる製品使用を禁じる国)など、比較することでしか理解できないことを学んだと(自分では)思います。

カナダの大学院の留学生の授業料は、カナダ国民の3倍だったりなど、学位ビジネス的な側面も見え隠れはするし、全ての医師におすすめ! なんて1mmも思いませんが、「そこでしか学べないこと」があるのなら、海外留学もまた一興かと思います。

 

私ですか? アスベストの露天掘り、見てみたかったんですよw
あと、夫もカナダに住んでたしね💖