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Dis. 3 海外留学者の最終目標って何? 匿名系麻酔科医の場合

お久しぶりです。

最後に記事を書いたのは何か月前かも忘れている、匿名系麻酔科医のゆるふわますいと申します。

名前のゆるふわの由来はなにも完全に遊びほうけようという意味ではなく、従来の臨床現場での仕事に生活を捧げてひたすら自己犠牲をする考え方に対する止揚的なものです。効率のいいストレスの少ないライフスタイルをして、生活も医療も長く持続可能なよいものにしようというものです。

 

さて今回は本題の海外留学者の最終目標についてです。とても難しいですね。というのもこれははっきり明確な人とそうでない人に分かれるからです。これは大きくその留学期間に依存していると思います。短い期間の方はより目標が明確長い期間を見据えている人はやや曖昧。こういう傾向があります。

短い期間、例えば2年間ほどの医師の研究留学では、何かの研究成果を出す、その地の文化的な部分を吸収する、語学の向上といったものが代表的です。絶対に結果を出して帰国すると息巻く人もいますし、人生の猶予期間として過ごす人もいます。

長い期間の場合はどうでしょうか。この場合は短期の場合よりも曖昧になりがちです。細かい予測が困難でもありますし、滞在中にいろいろ経験する中で目標が修正されることもあります。長い期間になればなるほどその留学の滞在は人生の大きな部分を占めていきます。そうなると留学の目標が人生の最終目標とも重なっていきます。

人生の最終目標となると、「具体的な事象を実現したい!」というよりもっと、「~を大切にしたい」や「~な状態でいたい」といったやや抽象的な目標になると思います。人生で大切にしたいもの…家族・友人・趣味・社会的達成、こういったものが浮かびます。何が一番か、どの順番かは今まで生きた人生の中で醸成された価値観で人それぞれ異なります。

自分は端的に言うと、最後の死ぬ直前に「楽しかった(やりがいがあった)人生だなー」と感じられることが一番の目標です。実はこれは既に半分ほど叶えられています。中学生くらいの頃に漠然とアメリカに行きたいなと思い、医療関係者のいなかった家庭からいくつかの困難を潜り抜けて、ここ海外での医療行為実施までたどり着けただけで幾分か満足しています。以前同じ臨床留学している友人と話し合った時に、「今突然死んだとしてもあまり悔いはないか」という話題が出たとき2人ともほぼ即答で「ないかも」と答えたのが印象的でした。

何を自分が達成したいか。これは未だに明確ではないです。麻酔科自体のアカデミックな部分には正直あまり興味はありません。ひいては医学自体にも実はあまり興味が無いのです。とは言っても今まで医学にはたくさん時間をかけてきましたので、これに関連した新しい分野の模索や、後進への手助けなどを考えています。

同じくらい重要なのが、家族・友人と共有する時間、趣味の時間です。米国臨床留学でも一から始めた場合、5年間程は修行の期間で時間の犠牲を強いられます。給与も少なく辛い時期となります。その分スタッフ(attending physician)になった際は、時間・給与ともに余裕が多く出るようになります。*1 自分はこの時間を得ることが留学での一つの目標です。

日本を離れようと思った動機は以上の、主にはやりがい(社会的達成)と時間の余裕です。目標の一つでもある経済面についても少し触れようと思います。こちらの麻酔科スタッフの給与は日本のそれよりも高いです。よく言われるのが物価・生活費・教育費で相殺されてしまうんじゃないかということ。これはまぁまぁ合っています。それでも勤務時間が大きく減る分、費用対効果としては米国の方が圧倒的です。さらに経済成長を考えたとき、自分は米国マクロ経済指標をつぶさに確認するのが好きなのですが、日米の格差はまだまだ広がり続けると考えています。時間に余裕があれば趣味以外にも他の分野や業種にも携われます。さらに帰国も頻繁にできますし、物価の差も日本で消費する際に有利になります。そんなわけで米国での生活に賭けてみたわけです。

 

海外留学を目指す医師・医学生の方々へ

 

まずは大きな目的、期間を設定することが大事だと思います。短い期間の場合は仕事以外を存分に楽しむのもまたそれはそれでアリだと思います。長い期間を想定するならその目標は少なからず人生で達成したい目標と重なります。

個人的には海外留学する前の目標は決して明確・具体的である必要が無いと思います。情報を集めたり経験をすることで明確になる目標もありますし、何より長期の場合はこの記事で述べたように曖昧になりがちです。ただ面接などで聞かれた時に困らないような内容は設定しておくといいと思います。

留学自体は準備に時間と労力を多く費やします。そしてその時間と労力は人生の貴重な20代から30台前半に費やされることがほとんどです。自分の本当に大切にしているもの、絶対に達成したいこと、そういったことを改めて見つめ直してみるべきです。もしそれが留学と合わない場合は避けた方が賢明です。

それぞれの進みたい道で困難さややるべきことが違いますので、それぞれに近いロールモデルを見つけて是非質問してみるといいと思います。幸い今はTwitterを代表とするSNSがあるので昔よりも気軽に個人や情報にアクセスできるはずです。

*1:選択科と地域、契約内容に大きく依存します